初めてのJETSKi - JETSKi初体験記
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アツミちゃんのJETSKi初体験記

~ 普通の女の子がジェットに乗るまで ~

このお話はジェットに触れたことも無い普通の女の子「アツミちゃん」がジェットに興味を持ち、ジェットに乗るまでの体験記(ほぼ実話)です。



 第1章 初めて間近で見たジェットは・・・


アツミちゃんは、青森市出身の22歳のOLである。
彼氏いない暦10ヶ月。
高校時代は、テニス部に所属していた。

もちろん、ジェットスキーとはまるっきり縁がなかったのだが・・・。 




- 去年の秋、私は沖縄へ旅行した。
長い間付き合っていた彼氏にフラれ、その心の傷を癒すための旅だった。

その旅で、初めて実際に動いているジェットスキーを見た。
多分、観光客がツアーのオプションで、ジェットスキーをレンタルしたのだろう。


ホテルのプライベートビーチから遠く離れたところで、白い波しぶきを上げてジェットスキーが走っていた。
あんなふうに海の上を飛ばしたら、嫌な気持ちも吹き飛んでいくかも…とは思ったが、あいにくジェットスキーに必要な免許がなかった。

僅かながら興味を持ちつつも、旅行から帰った後の忙しさに紛れて、それは心の片隅へと追いやられてしまった。



そして、数ヶ月が過ぎ、季節は初夏になろうかという頃。


親友のB子がホームページでジェットスキーの無料体験試乗会のこと知り、「行ってみない?」と誘ってきた。
B子には沖縄旅行で見たジェットスキーのことを話していたから、そのことを思い出して誘ったのだろう。

少し迷ったが、行ってみることにした。


ホームページのお店に電話をすると、

一度お店においでよ

とのこと。早速、次の休みの日にお店を訪れた。

お店には入るまでは、ジェットスキーってどんな感じなのかな?と、不安と期待でドキドキしていたが、出迎えてくれた店員さんが親切だったので、安心した。
お店には男性1人と、女性1人がいて、男性の方は店長さん だという。

お店の壁にはシーズンのイベント情報が貼ってあった。
コルクボードもあり、そこには沢山の写真が貼られていた。
時期も場所も様々で、色んな人が写っている写真だ。

お店の中をひととおり見た後、店長さんがホームページに乗っていた無料体験試乗会の話をしてくれた。試乗会は7月19日(日)に行われる。

当日は青葉にあるこのお店に9時までに集合し、それから野内の浦島マリーンというところに行くとのこと。
服装は濡れてもいいように、水着かラフなもので、バスタオルを用意したほうがいいと言われた。

「他に何か必要なものはありますか?」

と訊ねると、店長さんは

「準備万端でなくてもいいんだよ。初めてなんだから、ちょっとくらい失敗があった方が、後々忘れられない思い出になるよ」

と呑気な答え。

・・・大丈夫かなあ。


天気が悪い場合は中止になるらしく、前日に試乗会を開催するかどうかの連絡をくれるという。

この日はB子と二人、試乗会の申し込みを済ませて、店を出た。
試乗会は2週間程先のことだったが、それからは毎日のようにB子と連絡を取り合って、試乗会の話をしては、盛り上がっていた。


そして試乗会の前日。お店から連絡が入った。

「明日は天気もいいようですし、絶好のツーリング日和なりそうですよ。参加者も30人位ですかね」

と店長さん。

青森にも、そんなにジェットスキーに乗っている人がいるんだあ、とちょっとびっくり。
そういえばお店にあった写真にも、沢山人が写っていたなあ。

店長さんはひととおり連絡事項を告げ、電話を切った。


当日の朝、B子と待ち合わせて、一緒にお店に向かった。お店には8時45分ころ到着。
 すでにお店の前には、数台の車が止まっていて、5,6人の人が集まっていた。

ジェットスキーはリヤカーのようなものに積まれている。
なんだ、これ?と首を傾げていると、店長さんが寄ってきて、説明をしてくれた。

ジェットスキーが載っているのは、トレーラーと呼ばれるもので、それを車に付けたヒッチメンバーという器具に連結させ、牽引するのだと言う。

陸上で見たジェットスキーは思ったよりも大きく、驚いた。

「これって、全長は何メートルなんですか?」

「そうだね、3.5メートルくらいかな。重さは350キロ。新品だと150万位するよ」

「えっ?3.5メートルで350キロ?値段が150万円?・・・それって、マグロじゃないですか」
とのつっこみに、周りにいた人は大爆笑。

ようやく笑いが止まった店長さんが、

「でも、大きさや重さは機種によって異なるんだよ。乗れる人数も、1人乗りから3人乗りまであるし」

と教えてくれた。
私は、そうなんですか、と頷いた。


「それじゃ、そろそろ行こうか」

作業の進み具合を確認して、店長さんが言った。

「え?でも、まだ全員集まっていないみたいですけど?」
お店に集まった人数は10人程度。
参加者は30人くらいだから、全然足りていない。

「残りの参加者は、直接現地に行くから。君たちも早く車に乗って」
店長さんに言われて、車に乗り込む。

いよいよ海に出発だあ!

  第2章 ジェットのしくみ?

車に乗って30分程で、野内の浦島マリーナに到着した。
ビーチには、現地集合のメンバーが沢山集まっていた。

参加人数は全部で33人。
店長から30人くらいと聞いてはいたが、実際に見ると、かなり多い。

参加者の年齢は幅広く、上は50歳くらいまでいる。
家族連れで来ている人もいて、幼稚園くらいの子供も一緒だ。

ジェットスキーはサイズや搭載人数の違うものが、16台用意されていた。
今日の天気は少し曇ってはいたが、気温は28℃と高く、風も穏やかで、波もない。

ひととおり参加者の紹介を終えると、店長さんから今日のスケジュールが伝えられた。

「えー、予定としては、ここを出発した後、何箇所か点在する島を回って、茂浦という島に向かいます。その島を拠点に、ジェットに乗ったり、夏泊方面にツーリングします。お昼には焼きそばと焼肉を用意していますから、皆さん、今日一日おおいに楽しんでいってください」

との店長の言葉に、みんな歓声を上げる。
しょっぱなからテンション高いなあ…。

 「それではジェットを降ろすので、皆さん、手伝いをお願いします」

そう店長が言うと、何人かの参加者が集まって、話し合いを始めた。

何しているのかなあ?不思議に思い、近くにいた人に訊ねると、ジェットスキーの降ろす順番を決めているとのことだった。

やがて、話を終えた参加者たちが動き出した。

大きなジェットスキーを牽引していた和田さんが、運転席に乗り込む。
それから、ジェットスキーを載せたトレーラーを後ろに繋いだまま、車をバックさせる。

簡単そうにやっているけど、かなり技術がいるんじゃないのかな?

和田さんはトレーラーを波打ち際で止め、車の中から大きめの台車のようなものを出してきた。
その台車をトレーラーの後ろにくっつけるように置く。台車は海の中にある状態。

その上に2,3人でジェットスキーをトレーラーからスライドさせて乗せ移した。
この時点で、ジェットスキーは台車に載って海の中にあるわけだから、あとは台車から降ろすと出発できるのかな?

ところが、和田さんは台車からジェットスキーを降ろさないまま、エンジンをかけたのである。


え?どうして?


キョトンとしているとまたまた店長が寄ってきて説明をしてくれた。

「あれは車でいう、暖機運転のようなものだよ」

「暖機運転?」

「そう。水に入れてからエンジンをかけると、かかりにくいし、ノッキングを起こしたり、トラブルの原因になったりするんだ。だから、必ず暖機運転をして、エンジンがきちんとかかるかチェックするんだ」

「へー、そうなんですか」

ふむふむと感心していると、調子づいた店長が、ジェットスキーの仕組みについて説明をしてくれた。

ジェットスキーは、船底にある吸水口から吸い込んだ水を、「インペラ」と呼ばれるスクリューで加速し、その水を船尾から勢いよく吹き出すことで走行するという。

つまり、水がなければ進まないというわけだ。

実際に陸上でエンジンをかけたとしても、ジェットスキーは前に進まない。
それどころか、長くエンジンをかけていると、オーバーヒートを起こして、壊れてしまうことがあるのだという。
ジェットスキーのエンジンは、吸い込んだ水で冷やされているからだ。

インペラは、車でいうとタイヤにあたり、船体の後方下部に付いているが、中に隠れているので、簡単に見ることは出来ないとのことだった。

「あとね、ジェットスキーは前にしか進まないと思っているかもしれないけど、バックが出来る機種もあるんだよ」

・・・そうなんですか

とりあえず頷いてはみたが、ほとんど理解出来ていなかった。


これからやっていけるのかしら・・・

  第3章 SPEED

全てのジェットスキーを海に降ろし終えると、再び話し合いが始まった。
今度は、チーム分けと、荷物の運搬についてだ。

誰がジェットスキーに乗り、誰がボートに乗るのか。荷物はどのくらい積んでいけるか、といったことだ。

その話し合いの結果、私とB子は別れて乗ることとなった。

私が乗ることになったのは、学校の先生をしている太田さんという方のジェットスキー。

店長さんに紹介されて、太田さんと挨拶を交わす。
太田さんとは、もちろん初対面。

初めてジェットスキーに乗るという不安も手伝って、ひどく緊張した。

その為、

「…落とさないで下さいね」

などと、失礼なことを口走ってしまう。


それを聞いた店長さんが、

「大丈夫ですよ。太田さんは10年ジェットに乗っている、大ベテランですから」

と言った。

「そうなんですか?そんなに長いことやっているんですか?」

私は感心して、すごいですね、と太田さんに声をかけた。

しかし、太田さんは

「いや…」

と困惑顔。

「?」

首を傾げると、太田さんは照れたように笑った。

「本当は、今年初めてジェットに乗せてもらい、先月ジェットを買ったばかりなんですよ」

「え…?」

思わず顔が引きつる
店長さん、話が違うじゃないですか!キッと店長さんを睨みつけると、彼は親指を立て

「ナーイスリアクション」

と言った。

ナイスリアクションじゃないですよ…。とほほ。

「でもね、太田さんのジェットは、カワサキSTX15Fという、3人乗りのものなんだけどね。今年発売されたもので、今日のジェットの中では一番安定しているんだ。それに太田さんは、無茶な運転はしないし、色々と気の利く人だから、安心だと思うよ」

とフォローする。

そうなんだ。だったら、初めからそう言ってくれればいいのに。

心の中で愚痴って、私は太田さんの指示に従い、ジェットスキーの後ろに乗り込んだ。

「腕は、僕のお腹に回したほうがいいよ」

「え?」

「しっかり掴まっていないと、加速した時の勢いで落ちるし、スピードも出せないから。みんなに付いていけないと、おいてきぼりを食っちゃうよ」

太田さんの言葉に、恥ずかしかったけど、腕を回させてもらうことにした。

他のジェットスキーに乗り込んだB子と目が合う。
彼女も同じようなことを言われたらしく、前の人のお腹に腕を回していた。二人で苦笑いをする。

こうして、ジェットスキー16台、ボート1台の総勢33名によるツーリングが始まった。
他の船の出入りもあるので、それらに気を付けながら、あまりスピードを上げずに岸から離れる。
スピードは、ある程度沖に出てから上げるらしい。

ゆっくりと岸が遠ざかっていく。
陸上からしか見たことのない景色の中に、今自分がいるんだなあってことに、感動を覚えた。

突然太田さんが

「スピードをあげるよ」

と言った。


私が頷くと、太田さんはぐんぐんとスピードを上げていく。

さっきまでゆっくりと動いていた景色も、今は猛スピードで流れていき、もはや顔を上げることもできないくらい。

「何キロ出てるんですか?」

たまらず訊ねる。

「んー、だいたい100キロ

「ひゃっ、100キロ?」

車の法定速度より速い!!!

私は振り落とされまいと、太田さんに必死にしがみついた。

その状態で走行すること5分。
太田さんは急にスピードを落とした。

予定にあった、浅虫の湯の島という島に到着したのだ。
ホッとして、顔を上げると、そこには今まで見たことのない景色が広がっていた。
真っ直ぐ前には、バイパスが通っていて、それに沿うように浅虫の旅館街が広がり、その後ろには幾つもの山がそびえていた。

右側には遠くにピラミッドの形を真似たアスパムが、左側には観光ホテルが見える。
そして、足元の海水は、ビーチで見るよりも心なしか透き通っているような気がした。

新しい青森を発見できたことに、大興奮!!
それはB子も同じだったようで、キャーキャーと奇声を発しながら、景色を見ていた。

「どう?」

その様子を見ていた店長さんが訊いてきた。

さいっこうです!!

即座に返事をする。

店長さんは満足そうに頷いた。


それから島に上陸し、B子と共に散策する。

島にあった桟橋から、海の中を覗くとウニを沢山見つけた。

おいしそう

ぽつりと呟いたのを、店長さんが聞いていて、

「あれは取っちゃいけないよ」

と注意されてしまった。

「わかってます」

「そう?それならいいんだけど」

そう言って、店長さんは苦笑いした。

「あ、でも、泳ぐのはいいんですか?」

こんなに綺麗な海なんだもん。急に泳ぎたくなってしまった。

「それなら、そのライフジャケットを着たまま泳ぐといいよ。それを着ていれば水に沈まないから、溺れないよ」

「そうなんですか」

店長の言う通りに、ライフジャケットを着たまま、海に入ってみた。

確かに、ライフジャケットの浮力はすごい。
少々泳ぎづらいが、これなら沈むことはなさそうだ。

店長さんの話では、長時間浮いていることができ、体の大きい人でも問題ないとのことだった。

  第4章 ジェットのマナー

B子と二人、桟橋の近くで泳いでいると、何人かの人がジェットスキーに乗り始めた。

彼らは島の反対側へ廻ったり、観光ホテルの近くへ行ったりと、気ままにジェットスキーの運転を楽しんでいる。
なんだか自分でも運転したくなってしまう。

その中の一人で、一人乗りのジェットスキーに乗っていた平井さんが、

「ちょっと見ててよ」

と声をかけてきた。

彼は私達より5メートルほど離れた所にいたのだが、そこで、波もないのにジャンプしたり、回転したり、ジェットスキーに乗ったまま水の中に潜ったりした。

「すごい…」

感心して見ていると、桟橋の上から店長さんが、話しかけてきた。

「すごいよね」

「はい。ジェットスキーって、あんなふうにも乗れるんですね」

「そうだね。でも、誰でもできるわけじゃないんだよ。平井さんは、沢山練習したからできるようになったんだ」

「そうなんですか」

「そうだよ。ただ、ああいう乗り方はジェットにとってはすごく負担で、トラブルの原因になったりするんだ。だから、ジェットの構造に詳しくない人はやらない方がいいね」

それもそうだ、と頷く。

「ところで、そろそろ次の場所に移動するから、島に上がってね」

店長さんに促されて、島に上がった。
再び、先ほどの太田さんの後ろに乗せてもらい、移動を開始する。

今度はさっきより少しスピードを落としてくれたので、景色を見ることができた。

途中の小さな島に海鳥が沢山いた。

私の普段の生活範囲では、絶対に見ることのできない場所だし、この試乗会に参加しなければ出会うことができなかった景色だ。

湯の島からゆっくり走って10分ほどで茂浦に着いた。

ジェットスキーを岸に止めて、上陸する。

大きなジェットスキーは、アンカーをつけて海に浮かべておき、一人乗りの小さなものは、陸上でビーチスタンドというもの上に載せて止める。

それから、皆でボートを桟橋につけ、バーベキューの道具や材料を降ろし、島の中央まで運んだ。
その後、太田さんに誘われ、付近をジェットスキーで走ってみることに。

さっきとは違い、今度は私が前に乗ることになった。

ただ、当たり前だけど、運転は免許のある人しかできないので、私は前に座るだけで、操縦は太田さんが後ろからする。

それでも、前の席に座っただけで、ジェットスキーの印象は全然違う。
風を切って走る感覚がとても気持ちいい。
晴れやかな気持ちになる。

それに、海だから、道路みたいに信号や標識、速度制限に縛られることもない。
それがまたとてもいい。

楽しく島を何周か回り、皆が休憩しているところに戻った。

「どう?楽しかった」

一人の女性がそう訊いてきた。

「はい、とっても。こんなに楽しいものだなんて知りませんでした。すごい開放感があって、気分も爽快になりますよね。自然にも触れられるし、何より新しい青森の海を発見できました」

「そう、それは良かった」

「はい」

女性の言葉に大きく頷く。

今度は免許を取って、もう一度このツアーに参加しよう!
そして、自分のジェットスキーを持つぞ!!

  第5章 後始末

お昼になり、焼きそばと焼肉を食べる。
その後、ジェットスキーで近くの岩場まで行き、シュノーケリングをした。

それからまたジェットスキーの後ろに乗って遊ぶ。
何度も乗ったので、ジェットスキーのスピードにもだいぶ慣れてきた。

ふと我に返り、自分が陸上からとても離れた所にいるんだということを思い出す。

岸があると思われるほうを見ても、それらしきものを確認することはできず、自分が本当にそっちの方から来たのかも疑わしい。
それはB子も同じだったようだ。

店長の話では、ジェットスキーが航行できる範囲は、海岸や湖岸から2海里以内とのこと。
1海里は1852メ―トルで、緯度1分の長さに当たるという。
つまり、陸から約3.7キロ以内。

ただし、フェリーの航路や工事中のところ、法律で定められている場所は航行してはいけないし、徐行しなければならないエリアや、他にも気を付けなければいけないところは沢山あるとのこと。

こういう決まりは、免許を取るときの講習で、教材に沿って習うらしい。

「海の上でもマナーやルールがあって、それを守ることがとても大切なんだ。自分が楽しければいい、という考えでジェットに乗って、海水客や周囲の住人に迷惑をかける人もいてね。それでジェットの航行を禁止しているところもあるんだ」

「そうなんですか。それは残念ですね」

「そうだね。これからも色々なところでジェットを楽しめるよう、そういう決まりはしっかり守らないとね」

「そうですね」

ほんの一部のモラルのない人のせいで、今日のような素晴らしい景色が見られなくなるなんて悲しいよね。

「さてと、そろそろ帰りますか」

時計を見て、店長さんが言った。
時刻は15時になろうとしていた。

皆で後片付けを済ませ、ジェットスキーに乗り込む。

往路とは違う道を通り、真っ直ぐ浦島マリーナへ。
10分強で到着。すぐにジェットスキーの引き上げを始めた。

まず、ビーチスタンドを波打ち際に置き、その上にジェットスキーを載せた。

そして、降ろすときと同じように、トレーラーを繋いだ車をバックでその近くに止め、トレーラーに付いているウィンチのベルトを伸ばして、先端のフックをジェットスキーの先端にかける。

それからベルトを巻き戻すと、ジェットスキーはトレーラーの上へと引き上げられていった。
この方法であれば、さほど人手も必要ない。

その後、トレーラーに積んだジェットスキーにエンジンをかけ、数回空ぶかしし、チャンバーの中の水を抜く。
これをすることによって、次にエンジンをかけるときにかかり易いという。

それから、ジェットスキーは海で乗った後、きちんと水洗いをする必要があるとのこと。
そうしないと、錆びたり、メータパネルのアクリル板に傷が付いたりするという。

その手順は、

①船体外部にまんべんなく水をかけ、ポンプ回りを入念に洗う。
②エンジンに水を入れるためのアダプターをつけ、エンジンをかけて水を通し、2,3分洗う。
③船内のキャブレーターや電装に水をかけないように、エンジンの上や船内に水をかける。
④ドレンプラグを外し、船内の水を排出する。

とのこと。

ちなみに②はエンジンの中を洗うのではなく、ウォータージャケットという部分を洗っているのだという。

その後、エンジンをもう一度空ぶかしし、チャンバーの水を抜き、船体をウエース等で拭いて、金属部分に錆止めを吹く。

最後にエンジンのメインスイッチを切り、テザーコードを外し、換気して保管するのだそうだ。

少し手間ひまがかかるけど、そうやって大事にすることで、ジェットスキーも長持ちするのだという。

全てのジェットスキーを引き上げた後、車に乗り、青葉のお店に戻る。

そこで解散。


帰り際、店長さんに

「どうだった?」

と訊かれた。

「とっても楽しかったです。今度は自分で運転して乗りたいですね。
そのときはよろしくお願いします!」

との答えに、店長さんは嬉しそうに頷いた。









さあ、今度は貴方が体験する番です。




是非一度、ジェットの楽しさを味わってみて下さい!